今回は、イギリスのBBCニュースの記事から、役立つ英語表現を学びましょう。 今回の記事はこちらから読むことができます。 イギリス政府が課しているCOVID-19に関する入国制限をすべて撤廃するという内容ですね。 “measure”の意味は? 冒頭に以下の表現がでてきます。この中で使われている“measures”の意味は何でしょうか。 “The transport secretary has confirmed that all remaining Covid travel measures will be scrapped.” 「”all remaining travel measures”が”scrap”(日本語でも「スクラップ」)される」という文脈です。 そもそも”measure”と聞くと、日本語の「メジャー」が先に思い出されるのではないでしょうか。 ただし、当然今回はこの意味ではありませんね。 ここで、英英辞典を引いてみると、1番はじめに定義されている意味は、上の写真のような「メジャー」ではありません。 Oxford Learner’s English Dictionaryでは、「とある1つの目的を達成するための“official action”」とあり、一方でCambridge Dictionaryでは、「何かを達成するための手段(way) または 状況に対処するための手段 (method)」とあります。 双方の辞書とも、言い換えとして “action”という単語を使っている通り、‘measure’はもともと「行動・実行」を意味する単語なのです。 使い方のワンポイント 辞書の例文を読んで気づいた方もいるかと思います。そう、’official action’の意味のとき、‘measure’は往々にして、複数形で使う(つまり、‘measureS’)のです。とある目的を達成するための手段は、1つではないからですね。 語源は動詞「~を測定する」から もともとこの単語は、動詞「~を測定する」からきています。 「測定すること」からわかる「大きさ・重量」という意味が14世紀初期に(いわゆる「度量衡」)。その後、「測定する行為そのもの」「質量の基準となるもの(=何を基準とするか、いわゆる「秤」ですね)」が14世紀中に派生したと書かれています。 現在の’action’の言い換えとなるような’measures’は、1690年代から使われ始めたようです。先に出てきたとおり、「測定する行為そのもの」「測定する基準となるもの」 から、つまりは「ものごとを正しく(認識し)記録すること」と抽象化され、「とある目的を達成するための(公的な)計画・実行」となったのではないかと思われます。
前回の続きで、ロンドン地下鉄の中で見かける英語表現から学習しましょう。 ’cause’ の使い方 地下鉄のドアに次のような表現が貼ってあります。 文構造としては、‘Items (trapped in the doors)’が主語[S] + ’cause’が動詞[V] + ‘delays’が目的語[O]です。 今回注目したいのは、動詞で使われている’cause’です。 ’cause’の後ろにくるのは Oxford Learner’s Dictionaryをみると、一番初めの定義で次のような記載があります。 “to make something happen, especially something bad or unpleasant“ つまり、’cause’の後ろにくる目的語は、マイナス(ー)のものだということですね。 例文をみても、’the fire’ ‘trouble’ ‘widespread damage’などすべてマイナスの意味をもつ単語です。 少し上級者として 単語帳では、「~を引き起こす」という意味で覚えていることと思いますが、意味ではなく記号化(=抽象化)して理解すると少し上級者になれます。 上に添付のOxford Learner’s English Dictionary の Language Bankの欄を見ると、【X causes Y】という特集が組んであります。 今回赤枠で囲った表現は、’cause’と言い換えができる表現です。(例:lead to, result in, contributed to, bring about) これらに共通するのは、【Xにくるのが<原因>】で【Yにくるのが<結果>】であるということ、さらに言うと、これら’cause’を含む動詞表現は、左から右への矢印【⇒】と記号化することができます。 (途中の例に出てくる、’be factors in’も同様) 加えて、この言い換え表現にでてきた’contribute to’について、単語帳では「~に貢献する」という意味で覚えていることかと思います。日本語の「貢献する」はプラス(+)の意味で使いますが、今回の例からもわかったとおり、マイナス(ー)の意味で使うこともあるのです。(例文中の単語 ‘obesity’は「肥満」) ‘clear’ の使い方 地下鉄のドアに貼ってある注意書きの下部には、 ‘Please keep your belongings and clothes clear of the doors’と書いてあります。 ‘clear’と聞くと、何が頭の中に先に出てきますでしょうか? Oxford Learner’s English Dictionary で ‘clear’と検索すると、全部で4つの品詞がヒットします。(adjective: 形容詞、verb: 動詞、adverb: 副詞、noun: 名詞)色々な使い方があるのですね。 形容詞の’clear’ 今回ドアにある注意書きの中で使用されている ‘clear’は adjective: 形容詞で「~が塞がれていない状態」を表しています。この時、後ろにとるproposition: 前置詞は’of’と指定されていますね。(この’of’は「分離」を表す) したがって、今回の注意書きは、「手荷物(belongings)や服をドアから分離した状態(=塞がない状態)に保ってください」という意味です。 副詞の’clear’ ちなみに、副詞の’clear’も地下鉄でよく聞くことができます。“Please stand clear of the closing doors.” こちらのYoutubeで音声を聞くことができます。 動詞の’clear’ レストランでよく聞かれる表現です。“May I clear the table (for you)?” 「おさげしてもよろしいでしょうか」 基本単語の奥深さが日常表現を支えている 日常では中学校の時に習った単語こそが多く使われています。ただし、奥深く使われます(=基本単語こそたくさんの表現を含む)ので、日常生活での使われ方を1つ1つ蓄積していくことが、ネイティブスピーカーへの近道と思います。
ロンドンの地下鉄の中で見かける英語表現から、役立つ英語表現を学びましょう。 イギリスで地下鉄を意味する単語 使う単語 ロンドンでは東京・大阪と同じくらい地下鉄での移動が便利です。イギリスで地下鉄を意味する単語は、 ‘(the) Tube’ または ‘(the) Underground’ です。日本では ‘metro’「メトロ」が一般的ですよね。 ロンドンの地下鉄(Piccadilly Lineなど古い路線)に乗るとわかりますが、本当に’tube’=「管(くだ)」のような形をしています。 発音 ‘(the) Tube’の発音は、カタカナで表記すると「チューブ」、発音記号では /tʃuːb/ です。(アメリカ英語は、/tuːb/) ★発音の違いは、こちらから聴けます★ ‘(the) Underground’のアクセント (stress)の位置は、最初のUにあるで注意です! /ˈʌn.də.ɡraʊnd/ 表記方法 下図に添付のCambridge English Dictionaryにもあるとおり、’tube’ ではなく ‘the Tube’、’underground’ではなく’the Underground’ とそれぞれTとUは大文字で表現するのが一般的です。これは、「ロンドン地下鉄」という固有名詞だからですね。 ちなみに、'(the) Tube’ と ‘(the) Underground’ の使い分けは、日常ではそこまで意識していません。ただ、’underground’だからといって、100%地下を走っているわけではなく、実は多くの路線では地上区間があります。 また、上の画像にもあるように、実は ‘(the) Overground’という種類の鉄道も走っています。これは、文字通り地上を走る鉄道で、市内中心というよりかは、市外を走る近郊電車です。