前回の続きで、ロンドン地下鉄の中で見かける英語表現から学習しましょう。

’cause’ の使い方

地下鉄のドアに次のような表現が貼ってあります。

文構造としては、‘Items (trapped in the doors)’が主語[S] + ’cause’が動詞[V] + ‘delays’が目的語[O]です。

今回注目したいのは、動詞で使われている’cause’です。

’cause’の後ろにくるのは

Oxford Learner’s Dictionaryをみると、一番初めの定義で次のような記載があります。

“to make something happen, especially something bad or unpleasant

つまり、’cause’の後ろにくる目的語は、マイナス(ー)のものということですね。

例文をみても、’the fire’ ‘trouble’ ‘widespread damage’などすべてマイナスの意味をもつ単語です。

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/cause_2

少し上級者として

単語帳では、「~を引き起こす」という意味で覚えていることと思いますが、意味ではなく記号化(=抽象化)して理解すると少し上級者になれます。

上に添付のOxford Learner’s English Dictionary の Language Bankの欄を見ると、【X causes Y】という特集が組んであります。

今回赤枠で囲った表現は、’cause’と言い換えができる表現です。(例:lead to, result in, contributed to, bring about)

これらに共通するのは、【Xにくるのが<原因>】で【Yにくるのが<結果>】であるということ、さらに言うと、これら’cause’を含む動詞表現は、左から右への矢印【⇒】と記号化することができます。

(途中の例に出てくる、’be factors in’も同様)

加えて、この言い換え表現にでてきた’contribute to’について、単語帳では「~に貢献する」という意味で覚えていることかと思います。日本語の「貢献する」はプラス(+)の意味で使いますが、今回の例からもわかったとおり、マイナス(ー)の意味で使うこともあるのです。(例文中の単語 ‘obesity’は「肥満」)

‘clear’ の使い方

地下鉄のドアに貼ってある注意書きの下部には、 ‘Please keep your belongings and clothes clear of the doors’と書いてあります。

‘clear’と聞くと、何が頭の中に先に出てきますでしょうか? Oxford Learner’s English Dictionary で ‘clear’と検索すると、全部で4つの品詞がヒットします。(adjective: 形容詞、verb: 動詞、adverb: 副詞、noun: 名詞)色々な使い方があるのですね。

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/clear_1

形容詞の’clear’

今回ドアにある注意書きの中で使用されている ‘clear’は adjective: 形容詞で「~が塞がれていない状態」を表しています。この時、後ろにとるproposition: 前置詞は’of’と指定されていますね。(この’of’は「分離」を表す)

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/clear_1

したがって、今回の注意書きは、「手荷物(belongings)や服をドアから分離した状態(=塞がない状態)に保ってください」という意味です。

副詞の’clear’

ちなみに、副詞の’clear’も地下鉄でよく聞くことができます。“Please stand clear of the closing doors.”

こちらのYoutubeで音声を聞くことができます。

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/clear_3

動詞の’clear’

レストランでよく聞かれる表現です。“May I clear the table (for you)?” 「おさげしてもよろしいでしょうか」

https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/clear_2

基本単語の奥深さが日常表現を支えている

日常では中学校の時に習った単語こそが多く使われています。ただし、奥深く使われます(=基本単語こそたくさんの表現を含む)ので、日常生活での使われ方を1つ1つ蓄積していくことが、ネイティブスピーカーへの近道と思います。

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